鳥栖哲雄は、一人娘・零花を愛するしがない会社員。 ある日、彼は零花の顔に殴られた痕を見つける。 誰にやられたのかと問い詰めても、零花ははぐらかすばかり。 その帰り道、哲雄は犯人らしき男を見つけ、後を付けていく。 しかし、それが家族の運命を変える事件の始まりだった。 父は娘のため、家族のため、修羅の道へと歩き出す。 『100万の命の上に俺は立っている』山川直輝×『サイコメトラー』朝基まさしが贈るジェットコースター・クライム・サスペンス!
目次
主要キャラ
鳥栖哲夫
おもちゃメーカーで働くサラリーマン。
娘の零花を溺愛しており、娘を殺そうとした延人を殺してしまう。
かなりのミステリーオタクということもあり、あらゆるトリックをストックとして持っている。
恭一から疑われており、なんとかその場の思いつきで乗り切っている。
鳥栖零花
彼氏である延人からDVを受ける。
延人に関しては詳細を知らず、行方不明であると思っている。
鳥栖歌仙
哲夫の妻。
娘を守る為に哲夫の殺人に最後まで付き合う気でいる。
麻取延人
零花の彼氏。
鳥栖家の財産目当てで零花に近づき、酔った勢いで零花も殺しそうになっていたところを哲夫に殺されてしまう。
父である義辰の保護もあり、組では重宝されていた。
麻鳥義辰
延人の父。
弁護士を偽り、多くの人間を詐欺にかけている。
延人が行方不明になったことで、情緒が不安定になることも度々ある。
恭一
半グレ組織の若手メンバーの1人。
延人の死に鳥栖家が関わっていることを信じて疑わない。
その為、金曜日という期限を設けてそれまでに延人を見つけられなければ哲夫を殺す気でいる。
窪
半グレ組織の幹部。
恭一も窪には逆らえない。
響
キャバクラ嬢。
延人の彼女。
あらすじ
娘との再会
おもちゃ会社で営業職をする鳥栖哲夫。
哲夫は営業ついでに一人暮らしをする大学生の娘の零花に会いに行く。
なかなか娘離れが出来ない哲夫は零花との再会を楽しみにしていた。
再会した娘はマスクにサングラスで現れた。
そんな娘に哲夫は食事中くらいマスクとサングラスを外すよう注意したのだが・・・
娘の顔には誰かに殴られた痣があった。
哲夫は「一緒に住んでる男か?」と尋ねると、怒った零花はファミレスから飛び出ていってしまった。
ボコられる哲夫
ショックのままファミレスを後にした哲夫だったが、偶然にも前を通った若者集団の会話を耳にする。
「で?延人さん、一発ブン殴って黙らせたんすか??」
「そうなんだよ!!レイカの奴、親父が来るかもしれないから出でいけなんて言うからよ」
『まさか・・』と思ったが、レイカという名前と状況が重なっていることが気になってしまい哲夫は若者集団の後をつけることにした。
しばらく後をつけていると、なんと若者達は1時間5万円のキャバクラに入っていった。
すると看板をジッと見ていた哲夫にキャバクラのキャッチの男が「見てただろーが、ちょっと来いよ!」と因縁をつけてくる。
殴られながら裏に連れていかれた哲夫は・・・
素っ裸にされ、免許証と一緒に写真を撮られてしまった。
哲夫の決意
その日は悔しさのあまり、家に帰らず漫画喫茶に泊まった哲夫。
しかし翌朝、会社に休みを入れた哲夫はある思いに駆り立てられていた。
それは『怒りと零花が危ないかもしれないという恐怖』だった。
すぐに哲夫は零花の部屋に向かった。
妻から貰った合鍵で部屋に入った哲夫だったが、すぐに別の誰かが部屋に入ってきた。
昨日、零花を一発殴ったと豪語していた延人という男だった。
とっさに哲夫は押入れに隠れた。
延人は誰かと電話しており、その内容はなんと「和服の鳥栖」という義父の会社から金を奪い取るというものだった。
会話を聞いていた哲夫は延人がヤクザ絡みの人物であることを確信した。
それだけでなく延人は過去に勢い余って元カノを2人殴り殺していたのだ。
さらに延人は電話越しの男から「昨日零花の父親からつけられていた」と知らされ、延人の怒りはピークに達する
娘の危険をさらに感じた哲夫はすぐに零花の携帯に電話する。
すると家に忘れられていた零花の携帯が部屋の中で鳴り響いた。
その着信曲は昔零花が自分のためにピアノで弾いてくれた思い出の曲であった。
その瞬間哲夫の中で、守らなければならない零花と妻の家族3人への思いが爆発したのだった。
延人の死
暫くして、零花の部屋に妻の歌仙がスーパーの買出しを届けに来た。
しかし部屋に入った歌仙が見た景色は・・・
血だらけで倒れている男(延人)とそれを眺めている夫(哲夫)の姿であった。
さらに延人が何かしでかすのではないかとマンションの前で見張りについていた恭一という男も、異変を察知し部屋に近づいてくる。
果たして鳥栖家の運命は・・・
感想
全体的な感想
まぁツッコミどころは所々ありますが、最近では数少ないハラハラしながら読める漫画ではないでしょうか。
ただ悲壮感や危機感の描写がイマイチなのか、哲夫から焦りというものがそんなに感じることが出来ません。
というかサイコパス並に人をいとも簡単に殺してしまう哲夫には脱帽です。
簡単に遺体をバラバラにしたり、チェーンソーで人を殺したりしているのにそれを引きずる描写もなく平然としてるあたりは、???ハテナマークが飛びかいます。
盗聴器の下りや、色んなことに対する予防策も用意周到すぎてリアリティがないのが勿体無いです。もう少し、荒削りな方が見ていて緊張感があったように思います。
色々書きましたが、基本的に面白いとは思いますし、今ヤンマガでやってる数少ない楽しみな漫画の一つです!!
この漫画の特徴
限りなくリアルに起こりうる殺人とその後の証拠隠滅の物語です。
1つの殺人をしてしまったが故に、ヤクザ相手に2個3個4個とどんどん嘘をついていかなければならないハラハラものの漫画です。
ヤクザの恭一もなかなか勘が鋭く、言葉の矛盾点を突いてくるので下手な事を言わない様に言葉を選ぶ哲夫の心理戦は見所ではないでしょうか。
こんな方にオススメ
・ミステリー好きな方
・心理戦が好きな方
・現実感がある漫画が好きな方
・ナオコとカナコ(ドラマ)が好きな方
マイホームヒーローの通信簿
絵柄 ⭐⭐⭐☆☆
演出 ⭐⭐☆☆☆
ストーリー ⭐⭐⭐⭐☆
キャラクター ⭐⭐⭐☆☆
世界観 ⭐⭐⭐☆☆
セリフ ⭐⭐⭐⭐☆