目次
主要キャラ
十川善十
本作の主人公。
無職だったある日、たまたま立ち寄ったバー(一白茲)で出会ったマスター九重敏夫の亡霊に誘われ、一白茲の後継者として働くことになる。
マイペースでおっちょこちょいなところがあるが、マスターとしての自覚を持っている。
九重一葉
一白茲の前マスター九重敏夫の娘。
従業員として働いていたが、父が亡くなったことをキッカケに店を畳もうとしていた。
そんな時に父に誘われたと現れた善十を父の選んだ後継者と思い、跡を継いでもらうよう懇願する。
常に落ち着いており、善十をいつも陰ながらサポートしている。
長窪汐
BAR汐のマスター。
バーテンダーとして半人前の善十からいつも相談を受けている。
店も年中無休でやっており、ストイックな性格。
古賀紅央
善十の元カノ。
29歳のOL。
無職でいつまでも働かない善十に嫌気がさし別れる。
サッパリした性格。
善十と別れてからも、一白茲に足を運ぶなど交友関係は持ち続けている。
白木美温
一白茲に配送してくれる花屋の娘。
そのおしとやかな性格に善十も一目惚れし交際することになるが、実は裏の顔を持つ腹黒い女。
元カレはイケメンソムリエ。
あらすじ
失恋する善十
ある日突然彼女の紅央から別れを告げられる善十。
「聞き間違いかな〜〜〜?なんて♡」と話をはぐらかす善十であったが、そんな態度に余計腹をたてる紅央。
紅央から「あたしは!働かない奴は男として認めない!」とキッパリ理由を告げられた善十はめちゃくちゃ動揺したのだった。
善十の経歴
手に職をつけたかった善十は工業高校に入学し、普通の会社に技術職として入社した。
毎日毎日無言で機械と向き合っていたら心の中きら「人と話したい、素敵な音楽が鳴る場所で、たくさんの、色々な人と」と声がきこえるようになり、たまたま見かけたバーテンダーの仕事をするようになる。
今までとは真逆の人と話しながら飲んで飲んで飲んでの生活に快感を覚えた善十。
さすがに体もキツくなってきた頃、自分と同じ頃に入った従業員がトイレで血を吐いて倒れていた。
それを見た善十は「死ヌ、怖い、死ヌ」という感情を抱きはじめ、自分の体を癒すことに専念したのだった。
とあるバーとマスターとの出会い
『紅ちゃんを失った今はこのまま堕ちてゆくのでしょうか』と思いながら行きつけのバーで飲みまくる善十。
店を出た後も黄昏続ける善十の目に涙がこぼれ始める。
最後にもう一軒と善十はとあるバーに足を運ぶ。
入った瞬間、善十の前を白い羽が舞い散った。
カウンターには白いスーツにメガネをした老人マスターが1人立っている。
白い羽が気になった善十は「ここは手品バーですか?」とマスターに尋ねるも、マスターは「いいえ、だいぶお飲みになられたようですね。」とスコッチをそっと差し出す。
スコッチを飲んだ善十はその美味しさについ驚いてしまう。
するとマスターは「グレンモーレンジィの責任者ビル・ラムズデンとマスターブレンダーのレイチェル・バリー。2人が詳細を明かさずに作り上げたシングルモルト「シグネット」。製造の全容を知るのはこの2人だけ。いわば2人だけの秘密ですね。」と解説してくれた。
店の雰囲気、酒の味、その包み込まれるような空気感。
すると善十は「マスター、僕ここで働きたいんですけど。」と突然志願しだした。
そんな突然の志願にもマスターは「そう、じゃあ履歴書持って明日5時にいらっしゃい」と優しくて返したのだった。
驚きの真実
翌日善十は履歴書を持って昨日行ったバーに訪れる。
するとそこには1人の女性がいた。
すると女性の口から信じられない言葉が飛び込んできた。
「残念ですが、マスターの九重は亡くなりましたのでお雇いすることは出来ません。申し訳ありません。」
それを聞いて「え?」と唖然とする善十。
女性はさらに「ここは廃業になります。テナントの契約も終了になりますので。」
もう一度「え?」と唖然とする善十。
女性はもう一度「マスターは亡くなりましたので今日廃業届を出しました。長らくのご贔屓ありがとうございました。」と深々と頭をさげた。
どうやらマスターの娘であるこの女性(一葉)は父を亡くし、店を閉める準備をしているようであった。
信じられない善十は一葉に昨日の経緯を説明する。
すると一葉の目に涙が溢れてきた。
「無念・・・だったと思います。」
それを見て善十は一葉が言っていることが真実であると確信し、「ご愁傷様です」とだけ言いその場を去ったのだった。
一葉からのお願い
虚しい気持ちで店を出る善十。
すると一葉が慌てて後を追いかけてきた。
「父が、今日5時に来いと・・言ったんですよね?」
「父の店を気に入っていただけたから、今日来て下さったんですよね?」と重ねて女性は善十に質問する。
それに対し善十は「はい、それはもう・・・こんなお店で働けたら、理想だなぁ・・と。」答えた。
それを聞いた一葉は「無理を承知でお願いします。店を継いでいただけませんか?」と善十に父の後継者になるよう懇願してきた。
一瞬時が止まったかのように静止する善十。
一葉はさらに「負債などはなりません。ご迷惑はおかけしません。責任は一切こちらで負います。念書も用意します、父の店をこのまま潰すのはあまりにも、あまりにも忍びないです。どうか!どうか!お願い致します!」と深々と頭をさげた。
突然のお願いに善十は『え〜〜〜〜〜〜!???』と驚きを隠せない様子を見せたのだった。
そんなこんなで善十はめでたく一白茲のマスターになることになった。
まだまだバーテンダーとして半人前の善十だったが、店を守る為に今日も頑張るのだった。
感想
世界観バッチリの恋愛?ヒューマンドラマ?漫画です。
好き嫌いは分かれそうてすが、個人的には登場キャラの個性も強く話ごとのオチもシッカリしていて好印象です。
美温が元カレのところに戻っちゃうのも面白かったですし、汐と善十の絡みも個人的には面白くて好きです。
人間やバーテンダーとしてまだまだ半人前な善十を周りの人間が支えている構図が読者の心を上手く掴んでいる作品だと思います。
若干文字が多くて流し読みしちゃうシーンも多いのも事実ですが・・・
おやすみカラスまた来てね。の通信簿
絵柄 ⭐⭐⭐☆☆
演出 ⭐⭐⭐☆☆
ストーリー ⭐⭐⭐☆☆
キャラクター ⭐⭐⭐⭐☆
世界観 ⭐⭐⭐⭐⭐
セリフ ⭐⭐⭐⭐☆